平成26年12月18日木曜日の修法記

本日は基本を行った後、道院長には以下のように教えて頂きました。

●「受け」は少林寺拳法のベースです。
上受、下受、払受や前受身、後受身などまずは守りの形が先に出来ていなければなりません。
“受け”や“受身”は普段おざなりになりがちですが、まずはきっちりと攻撃から身を守ることが出来るようになることが大切です。
それが守主攻従ということなのです。

●中段突に対して八相構から下受をしての投げ。
下受はただ手をバシッと弾き落とすのではないのです。
むしろ、一瞬相手と同じ方向に動かす。だから手の動きは手掌を自分に向けてから返します。
手の力は入れないで、濡れタオルを巻き付ける感じで相手の腕に触れる感じがそうです。
橈骨動脈を自分の方に向けて返す動きをします。つまり受け入れて流す動きです。
また、体は相手の拳をよけようとして横に出たり、後ろに引いたりはしません。皆はついついよけようとして相手から離れますが、身体の軸を動かすだけで体は変えません。どちらかと言うと、相手に入るイメージで行います。
そして最後一番大切なことは、どれだけリラックスして悟りの境地でいられるかなのです。

●逆小手
逆小手もそうで、思い切り掴まれた時にその時自分は崖っぷちに立っていて後ろにのけぞっている状況だとします。
相手は手を掴まれたのではなく助けようとしてくれる存在なのです。
そう思うと身体も固まらないし、攻撃しようとしてくる相手に感謝の気持ちで向き合うことが出来ます。
そして、相手の力を無力化することができるのです。すると相手とぶつからなくなります。

●復元力
逆小手をする時に、反り身のように自分を一旦崩して戻すと相手は崩れます。
これは力のベクトルを変えること、そして、自分の軸を復元しようとする力を利用しています。
持たれた手はその位置のままで、手は動かしません。

〈考察〉
「受け」とは攻撃されることに対して受動的に動くイメージがあり、どちらかと言えば向こうからの動きに対してどう対応するかという感じがしますが、道院長が指導して下さった「受け入れて流す」の受けは能動的に感じました。
一旦相手と同じ方向を向いたり、相手に入ってゆくなどの動きや意識がそうです。
特に、相手と一旦同じ方向に動くと教えて頂いた時に「同治」の考えと似ているのではないかと思いました。
仏教の教えに「同治」と「対治」があります。例えば、熱を出した時に医師は氷で冷やしたり解熱剤で熱を下げようとしたりします。これが「対治」です。一方、どんどん温かくして汗を十分にかかせて熱を下げる方法もあります。これが「同治」です。
もしくは、悲しんでいる人に「悲しんでばかりいてはダメだ。もっと元気を出せ。」と悲しみから立ち直らせようとするのが「対治」で、「その気持ち分かるよ。」と悲しみを分かち合い相手の心の重荷を下ろしてあげるのが「同治」です。
そこには一切の否定はありません。
攻撃してきた相手を何とか意のままにしようとすると、ぶつかってしまいます。
力が相手より強かったり、勢いがあれば相手を倒すことも出来るかも知れませんが、それは一種の賭けであり、相手の気持ちの中にも遺恨を残すことになります。
また、相手が弱かったりすると、出来た気になったり満足してしまうかも知れません。
一方、同じ方向に一瞬でも向くと相手とぶつかりません。これは相手の力のベクトルと自分の力のベクトルを一瞬合わせゼロ化しているのです。
相手の「あるがまま」を受け入れ邪魔せずにいられる境地がまさにそれだと思います。するとお互いにぶつからず、攻撃する側もなぜ自分が攻撃していたのか忘れてしまいながら倒れてしまうのです。
それが悟りにつながるのではないかとも思いました。
私は攻撃されると腰が引けたりしてしまいますし、当たっても下手だから仕方ないと諦めてしまいます。
また、自分自身のことも「あるがまま」を受け入れることは出来ていないなと日々感じます。
当然、リラックスも出来ないし“悟り”も夢のまた夢です。
しかし、少しずつでもその境地に近づけるようになりたいと思う自分がどこかに居るのもまた事実です。相手と同じ方向を向くこととはどういうことかを意識して修練し、日常生活にも生かしてゆきたいと思います。

(井上 恵以子)

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