平成28年1月25日月曜日の修法記

 本日の修練では、全体での基本修練の後、級科目と参段科目の復習を行いました。以下、今回指導していただいた内容と気づきのまとめです。

「片手送小手」
 鉤手守法の時は、後ろへ逃げすぎると攻者の重心が残ったままになるので、下がり過ぎないようにする。相手の肩を送るようにして、少し裏を取るようなイメージです。この時に、攻者は守者の重心を預かるようにして、守者を自立させないことを意識する。
 掛手から技を掛けるまで、相手に重心を戻してしまわないように注意しながら、取った小手を額の前で構える。すると相手は身体が浮いてしまう(踵が浮いて爪先立ちになる)。重力は常に働いているので、相手が元に戻ろうとする力を使って掛ける。小手だけで取らずに、足を通って丹田から額にかけて取らなければ、相手を浮かせることはできない。

「木葉返」
 小手先を動かして取ろうとすると、仕掛けられる側は攻者の動きに合わせて動くことができるので、相手の重心は引っ張ったり押し込んだりしないようにする。そこで攻者は、相手の肘に自らの肘を当てにいくような形で、相手の肘を曲げて、相手の体側に入る。この時、必ず相手を自分より低い位置に崩す。相手の肘と膝が外側に向くように丹田を返すことができると、そうなる。
 うまく掛かっている時には、仕掛けられる側は、取られた手側の体側が曲がり、反対の体側が伸びていることが分かる。左右の横三枚を通って、斜め上方向に掛けて押し上げられている感覚があれば正解です。
 攻者は相手が崩れて押し上がっているベクトルを感じるようにして、重心を相手に返さないよう小手で調整しつつ、そのベクトルに沿って一歩前に出ると、相手は自らくるりと回る。

「切返小手」
 切小手を掛ける。相手が肘をあげて抵抗すると、相手の手首のしわが斜め45度くらいを向くので、切小手を緩めるのではなく、縦に切小手を掛けるようなイメージで、相手の手首に沿って掛ける。すると相手は肘の方向に一瞬浮くので、その刹那に水平よりやや斜め下方向に向かって切小手を掛けるようにして崩す。
 切返固では、相手が肘を曲げて抵抗できないように、脇の下の神経や動脈が集中している(ツボ)を踏んで腕を伸ばさせる。そして、小拳頭を攻めて、固める。

 法形というのは、「因果」の一連の流れを体験できる型のようなものです。自らのアプローチを因として、相手が倒れたり倒れなかったりという果となります。
 例えば、今回取り上げた3つの法形でも、それぞれ導きたい結果があります。その結果に導くために仮説を立てて、実験、反省、仮説の再構築、検証を繰り返します。そうして相手は自分を映し出す鏡であって、自分と相手という境界線すら空想であることに気づいていきます。
 特に私は、今回復習した片手送小手や木葉返では、それがわかりやすかったです。手だけで掛けると、相手の手首まで影響があります。腕全体を使うと、相手の肩まで影響があります。ここまでは相手の重心を預かっていないので、痛めて取ることになります。関節が柔らかい人や、腕力の強い人は逃げることができます。
 そして「足から丹田を通って」掛けると、ようやく相手の膝腰にまで影響があるのです。そこで初めて技が成立します。文章で書き表すのはとても難しいのですが、実際に体感覚としてあるのです。だからこそ、拳禅一如の修行法なのでしょう。これが法形修練です。
 武術を通して、自と他という境界線が空想であることを身を以て体感し始めました。おまけに、その過程で導きたい結果に辿り着くための仮説を立てて、実験、反省、仮説の再構築、検証を繰り返すことで、思考回路が変わっていきます。これは生きていく上で武器になるものだと思っています。
 我々は普段目にしているのは「結果」ですが、同時に「原因」を生み出し続けています。原因を押さえなければ、船に空いた穴を塞ぐのではなく、そこから流入した海水を船の外に捨て続けるようなもので、キリがありません。そういう思考回路を持って、日常生活も見つめていきたいです。
 自他一如とか無分別という、頭で理解していた法則を、ようやく身を以て分かり始めたと思います。とはいえ、それを体現するのが難しいのです!

 ようやくスタート地点に立ったと思って、これからも修練を楽しんでいきたいと思います。いつもありがとうございます。

(梅田海来 記)

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