平成29年10月23日月曜日の修法記

本日の修練は副道院長指導の下、拳士全員による基本稽古を10分ほど行ってから、道院長の指導による合同修練を行いました。
先ずは、いつものように胸前で両手の平の間に氣のエネルギーを感じる稽古。その次に二人一組による氣のキャッチボール。さらに、全員を2チームに分け、それぞれのチームが左右に分かれて氣のエアードッジボールを行いました。

続いて二人一組で、一方が仰向けに寝て、他方がすぐその左脇に正座し右手を相手の首下に差し入れて起こす稽古を行いました。通常では重たすぎて持ち上がりませんが、相手の潜在意識にアプローチするための手の平合わせと目合わせで、あたかも相手が自分から起き上がるかのように軽々と持ち上がります。
道院長の説明では、人間=意識であり、潜在意識にアプローチするのは皮膚と脳とのことです。手の平を合わせることで相手と潜在意識でつながり、相手を動かせるとのことでした。

次に正座で向かい合い、一方が他方の片手手首を両手で太腿に押し下げる。受け側はグーを握って持ち上げようとするが持ち上がらない。今度は向かい合って正対するのではなく、相手の右膝と自分の右膝が揃うようにズレて座る。あるいはさらにずらして相手の横辺りに来る。持ち上げる側は相手の手の平から温かさ等のエネルギーを感じ取り、自分の手の平を開いて、相手の頬に自分の頬を寄せながら、もう片方の手の平で軽く相手の肩を触って、転がす。ずらすのがポイントで、こうすることで自分は正中線の実だが、相手は正中線の虚となる。
実と実がぶつかり合っては、潜在意識にアプローチできない。相手を緊張させずにいかに入っていくかが、武道の入身。そうすることで虚を突くことができるとのことでした。

ちなみに手の平の真ん中の窪みには労宮(ろうきゅう)という、胸の中央辺りの膻中(だんちゅう)というツボとつながっているツボがあり、膻中と同じく緊張やストレスと関係しているそうです。この窪みには額の第三の目と同じく目があり、相手の目に手の平をかざすことで見つめるのと同じ効果があり、相手の緊張を取り除けるそうです。その際、手の平は少し内に曲げて窪みを作り、隙間つまり空間を作ってあげるのが肝要とのことです。
注意点としては、力で相手を倒そうとするのではなく、自然に寝かしてあげる無心が重要。倒そうとする認識があるとプラスになり、プラス同士がぶつかり合ってしまう。無心になることで、共感、同調、無力化、ゼロになる瞬間が大切。

極意は“間(ま)”。間に合わすことが重要。完璧にやってもいけないが、間に合わなくてもいけない。60点が合格点なら60点でいい。間というのは空間。これは万物を生み出す“場”。空間にモノがぎっしり詰まっていては用をなさない。われわれの意識や関係性も同じで、密着し過ぎてはダメ。完璧にやろうとし過ぎると、思いで一杯になり過ぎてダメだが、何の意識も働かせないのも何も掴めないのでダメ。0.35秒を意識するというのは受身じゃなくて、すごく能動的。瞑想というのは雑念を消すことではなくて、雑念を見るのが瞑想。立禅でも常に何が出てくるかを見る。すると何もない瞬間が、最初は何時間かのうち数秒現れてくる。それがずっと維持できるようになってくる。常に見るとか間を空けるとか、それは自分自身の内面だけではなくて、コミュニケーションの場でも大事。詰まっているとダメ。真っ直ぐは緊張するのでちょっとずらすのが大事。
皮膚と目と間合いというのは脳の働きではなくて、潜在意識の働き。
真っ直ぐ相手が来てもずらして相手に入る。
心の語源は「コロコロ動く」。相手がこちらの手を取りにきたら、その手のところに相手の心がある。それを相手の胸に戻してあげるイメージ。相手の意識を止めずに返してあげると倒れる。

最後に行ったのは四人一組の稽古。2mほど間を空け、守者と、目線を送る者との二人が向かい合い、見つめ合って立つ。三人目の攻者は守者の隣に、守者と反対向きの姿勢で立ってから守者の両肩に手を載せて倒そうとする。これでは倒れない。そこで攻者は守者と同じく、目線を送る者の方に目線を送る。同じものを見ることで相手と同じ意識になって無力化することができ、倒すことが可能となる。これを四人で順繰りに修練していきました。

(考察)
今回もいかに相手の潜在意識にアプローチするか、その重要性を学ばせていただきました。ずらすことで正面からぶつかり合うのを避け、相手の心を受け入れてから還してあげるかが、身体を含めすべてのコミュニケーションにとっていかに重要かを、身体修練を通してわかるようになりました。
武道の極意も教えていただいているのに、道場内は緊張感ガチガチではなく、笑いが絶えない和気藹々とした楽しい場でしたが、それも大切なことなのだと気づかされました。これも60点の間合いのひとつだと改めて感じた次第です。
(柏田 健 記)

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