平成29年11月27日月曜日の修法記

本日の修練は副道院長指導の下、拳士全員による基本稽古を10分ほど行ってから、道院長の指導による合同修練を行いました。

先ずは、外的な打ち身、内的なトラウマなどはすべて消化器、つまり腹部に溜まるので、それを癒やす手法から入りました。二人一組になり、一方が仰向けに寝て、他方が横腰辺りに片膝立ちして、一方の手を寝ている者の内ももに、他方の手を腹部かってん(乳首を通る縦線とみぞおちを通る横線との交点)に触れるか触れないか程度にそっと載せます。寝ている者はリラックスし、静かに30呼吸行い、座っている者はその呼吸を観る、つまり観察します。それだけで寝ている者のストレスが体から出ていくとのことでした。

次に双方が背中合わせに、足を投げ出して座り、互いに腕を組んでかけ声等を掛けながら立ち上がります。次は腕を組まずに言葉だけ、最後に言葉を掛け合わずに相手の呼吸を感じながら息を合わせて立ち上がります。この修練は言葉を使った顕在意識優位の場合と、それを使わない潜在意識優位の場合の違いを体感するためのものです。一見言葉を掛け合って顕在意識優位の方がうまくいくように見えますが、実はそうではなく潜在意識で感じ合う方がうまくいくのです。これを以心伝心とか拈華微笑(ねんげみしょう)といって、人生ではこの魂でつながる感覚がとても大事とのことでした。

続いて、同じく二人一組で、それぞれが胸前で両手の平を少し空けて氣のボールを呼吸に合わせて広げたり、縮めたりしながらボールを感じます。そのボールでキャッチャボールをします。

次は、二人一組で正対して正座する。そのとき拳一個分空ける。自分の右手で相手の右手首を掴む。掴まれている方は、相手が攻撃してくると思うのではなく、助けてくれている、あるいはエネルギーをくれていると思い、頭と首や腰の力を抜いてぐにゃっと相手に委ねるように右側に転がる。途中で止まらずに仰向けになる。ゆっくり息を吸って起き上がる。相手が来たら争わないで、気を失うイメージで行う。

次に、二人一組で一方が仰向けに寝て、他方が相手の脇腹の横に座って片手を寝ている者の首の後ろに手を差し入れて起き上がらせようとする。そのままでは重くて持ち上がらない。しかし首に入れている手と反対の手を、寝ている者の遠い方の手の平と合わせ、目と目を見つめ合いながら起こすと簡単に起こせる。物理的な重さではなく、人間は意識だからその流動している意識に合わせる。こうすることで意識が伝えやすくなる。

ベンジャミン・リベットも言うように、0.35秒前に人間は頑張ろうとか踏ん張ろうと意識する前につながる部分がある。呼吸とか皮膚とか目を合わせることで、自分の意識を超えるものがつながる。現象、仏教でいう果の部分、結果を見るのではなく、因の部分。因の部分は実際にはどこかはわからない。「わからない」というのは、分けることができないということで、元々本来は統合した、その一つの部分を指します。

この後、両者立位で手首を握りにいったり、上膊を両手で捕りにいったり、両前襟を握ったりした場合にどうやって潜在意識を合わせて倒すかの修練を行いました。これらは少林寺拳法の技ではなく、あらゆる武道の極意。技ではない。技なら極技。意識を極める。意識って何だろうかと追求していくのが極意。華道や武道を含めすべての道には意識がある。意識とは和合すること。茶道の器でも、字を書くのでも、そのものとひとつになる。境目をなくすのが和。和してやろうと思ってはいけない。触れたり感じたりするだけで和になる。どうやったら和になるか、考えてはいけない。触れて呼吸を感じるだけで自分がなくなる。
こういったことを身体を通じて修練しました。

考察
今回、初めて参加された方が数名いらっしゃり、道院長自らその方たちに上膊を握らせたり、前襟を力一杯掴ませたりして、それをいともたやすく転がしていました。転がされた方も狐につままれたようで思わず大笑いされていました。どうしても武道とか、倒す、倒されるとなると殺伐としたイメージになりがちですが、魂部分で和していくと闘争心もなくなり、朗らかな空間になります。それを初参加者の大笑を聞きながら改めて感じた次第です。道院長が日頃口を酸っぱくしておっしゃっている顕在意識、潜在意識について体感させていただきました。
(柏田 健 記)

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