令和元年8月5日月曜日の修法記

本日は基本を行った後、復習科目として「逆小手(前指固)」「首締守法十字投」「首締投」「拳締捕」「天秤投」を行いました。

副道院長からは以下のようにご指導頂きました。

「天秤投」
●先に意識を飛ばしておく
天秤投は、まず開身突で先に突きで相手を動けなくするイメージを持って動きます。先に相手を制しているという心の余裕を持つことで投げの動きが相手主体ではなく自分主体に出来るのです。

●天秤を掛ける際、守者の手の位置を意識する
半月受をして天秤を掛ける際、相手の腕のどの位置に自分の手を相手にかけるかで投げやすさが変わってきます。相手の体幹寄りなのか、肘寄りなのか。この技の場合は相手の肘寄りに掛けます。相手の体幹から離れれば離れるほど相手に及ぼす影響も大きくなるのです。

先輩拳士からは以下のようにご指導頂きました。

「逆小手 前指固」
●動きは繋がっている
目打をした手で掛手をしますが、目打は目打、掛手は掛手と途切れてしまっている人がいますが、2つの動作は繋がっています。目打をしたその流れを使って相手の腕の内側を沿わせるイメージで掛手をすると相手が少し前体重になり崩れます。その崩れがあるから次の動きに繋がり、逆小手が掛かりやすくなるのです。

●腕は相手から離さず、相手の体幹の近くで技を掛ける
逆小手を掛ける時に、掛けようとする意識が強いと手だけを攻めようとしてしまいがちです。相手の肘が相手の体から離れれば離れるほど実は相手は頑張れるのです。特に力の強い相手だと無理です。相手の手に掛手をして逆小手を掛ける際は、相手の肘を横ではなく前に出させて後ろに崩すようにします。横に捻ったり操作しようとせず相手の手をなるべく相手から離さないようにして掛けます。すると相手の力が強くても頑張れなくなり、技が掛かるようになります。

「拳締捕」
●相手の攻撃を感じながら掛ける
相手の攻撃がこういう軌道を通ってこう出したいのだなと分かると、自分がどう動けば良いかが分かります。この場合は、攻者が相手の拳が顎の下から上に突き上げてきて守者が後ろにのけ反るという動きがあるから拳締捕に移行出来るのです。なので、攻者はしっかりと攻撃することを意識して下さい。逆に守者は顎の下からの相手の攻撃の拳を邪魔しないようにします。すると体が自然に返るのでその動きを利用して捕りというよりは天秤をするようなイメージで掛けます。

「天秤投」
●相手の突きを助長すると、自ずと崩れる
天秤を描けようとし過ぎて天秤を行う手に力が入ると相手の動きを邪魔することになります。天秤を掛けにいくというイメージよりも、むしろ相手の突きの流れを止めず突きを助長してあげるように掛手をして下さい。突き切らせてあげると相手は前体重になるので、その流れを止めず拳を下ろしてあげるように天秤を掛けます。すると詰まらずに相手を投げることが出来るのです。

【考察】
相手の攻撃を邪魔せず、更に少し助長すると相手は自ら崩れるという身体と心の動きを感じて活かすことが大切だと思いました。相手の攻撃を止めにいくということは、多かれ少なかれ相手とぶつかるということです。バチバチ当たると自分も痛いし、相手も痛い。もしくは何かしらの思いが残ってしまうと思います。ある意味、否定されている状態に似ています。しかし、攻撃をしかけるという時点で相手は崩れているので、攻撃を邪魔せず更にその動きを助長してあげると相手は自分のエネルギーで倒れたり転がったりします。自分のエネルギーで倒れると、相手はあれ?という感じで、やられたという感じがしません。逆に受け入れて貰えたと感じることが不思議でした。
攻撃をしかけるということは、心も身体も安定を欠いている状態になります。その崩れを使ってそれを邪魔せずに技を掛けることが大切だと感じました。 相手の崩れを感じるということは、より相手に意識を向けておく必要があると思います。自分はこういう技を掛けたいからこう動くのではなく、自分は先に相手を制しているという意識を持ちながらも相手の動きを感じて邪魔しないことで技に繋げる。この一連の流れを自分の「技を掛けたい」という自我で断ち切らないことがぶつからない技であり、相手が大きい人でも関係なく掛かるのだなと思いました。
日常のコミュニケーションでも当てはまると思います。私は相手の言いたいことや思いをこちらの「我」で止めてしまっていることがあるなと感じます。そうではなく、相手を感じて相手が言いたいことに耳を傾けてみる、それだけでお互いにぶつからなくなり調和が生まれると思います。技でも日常でも、より自我を薄くして調和に繋がる意識や技を探求してゆきたいと思います。

(井上 恵以子 記)